世界怪奇録
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2026-05-23UFO

「人類は"それ"を回収していた」──元情報当局者が議会で沈黙を破った日の記録

2023年、一人の元情報当局者が議会で口にした証言が世界を揺るがした。あの日、何が語られたのか。そして今も残る沈黙の意味とは。

「人類は"それ"を回収していた」──元情報当局者が議会で沈黙を破った日の記録
Photo by Mathias Reding on Unsplash

あの公聴会を、俺はリアルタイムで観ていた

2023年の夏。7月の終わり頃だったと思う。

俺はその日、たまたま有給を取っていて、昼前からダラダラとネットを巡回していた。Twitterのタイムラインに「米議会でUFO公聴会がはじまる」みたいなツイートが流れてきて、まあ暇だし、どうせまた曖昧な話だろうと思いながらライブ配信を開いた。

そしたら全然違った。

証言台に座った男は、名前をデイヴィッド・グルーシュ。米国の情報機関に14年間勤務したとされる人物で、国防総省の UAP(未確認空中現象)タスクフォースにも関わっていたと自己紹介した。スーツ姿で、声は落ち着いていた。だが、目だけがずっと怒っているように見えた。少なくとも俺にはそう見えた。

グルーシュが口にした内容は、控えめに言って異常だった。

「米国政府は長年にわたり、非人類由来の知性体に関連する物体の回収・リバースエンジニアリング計画を秘密裏に運用してきた。私はその存在を知る立場にあった」

意訳するとこういうことだ。政府はUFO的なものを拾っていて、それを解析する秘密計画があって、俺はそれを知っていた、と。国家安全保障上の制約があるため詳細は非公開の場でしか話せないとも言っていた。

正直、最初は「ボブ・ラザーの焼き直しか?」と思った。でも違う点がひとつあった。この男は、米国の情報機関の監察官に対して正式な内部告発手続きを経ている。しかもその告発は「緊急かつ信頼に足る」と認定されたと報じられている。議会の公聴会に呼ばれたのも、路上の陰謀論者ではなく、国家の仕組みの中で正規ルートを通った人物だったから、という建てつけだった。

長文失礼します。文才もないので読みにくいかもしれないけど、あの日から俺がずっと追ってきた話を、できるだけ整理して書きます。

united states capitol building hearing room empty Photo by Natilyn Hicks Photography on Unsplash

公聴会で何が語られたのか

まず前提として、あの公聴会は2023年7月26日、米下院の監督・説明責任委員会で開かれた。グルーシュのほかに、元海軍パイロットのライアン・グレイヴスとデイヴィッド・フレイヴァーも証言者として出席していた。フレイヴァーは2004年のニミッツ空母打撃群での「Tic Tac」事件の当事者として知られる人物だ。

グルーシュの証言の要点を、公開された範囲で俺なりにまとめるとこうなる。

ひとつ。米国政府内に、非人類起源の飛行物体とその破片を回収・保管するプログラムが存在する。グルーシュ自身は直接それを見たわけではないが、そのプログラムに直接関与した複数の人物から証言を得たとしている。

ふたつ。このプログラムは議会に対して適切な報告がなされていない。つまり、憲法で保障された議会の監視権をバイパスして運用されてきた可能性がある。これが内部告発の核心だった。「UFOが実在するかどうか」よりも「秘密計画が民主的な統制の外にあった」という問題提起のほうが、実は重いのかもしれない。

みっつ。グルーシュは「生物学的遺体(biologics)」の存在についても議員から質問され、「非人類の生物学的物質が回収された」と聞いていると答えた。この瞬間、配信のチャット欄は文字通り爆発していた。

ただし、グルーシュは繰り返し「セキュリティクリアランスの制約上、ここでは言えない。非公開のSCIF(機密情報取扱施設)でなら話せる」と述べていた。公聴会の半分以上はこの壁にぶつかっていた印象だ。

もう一人、フレイヴァーの証言も印象的だった。2004年、太平洋上で訓練中に遭遇した白い楕円形の飛行体。推進装置がない。排気も翼もない。それが海面から急上昇し、戦闘機のCAP(戦闘空中哨戒)ポイントに先回りしていた、と。あのCAP座標は機密扱いのはずなのに、と彼は言った。

この証言は2017年にニューヨーク・タイムズが報じた「ニミッツ事件」の当事者本人による議会での証言という形で、改めて公式記録に刻まれたことになる。

dark ocean surface aircraft carrier night Photo by Lukas Robertson on Unsplash

証言の前と後──「開示」はどこまで進んだのか

グルーシュの公聴会を理解するには、その前後の流れを知っておく必要がある。

まず前史。2017年12月、ニューヨーク・タイムズが米国防総省の秘密プログラム「AATIP(先進航空脅威特定計画)」の存在を報じた。同時に、米海軍の戦闘機が撮影したとされるUAP映像3本(通称 FLIR、GIMBAL、GOFAST)がリークされた。国防総省は2020年にこの映像を正式に公開し「本物」と認めた。

2022年には国防総省内にAAROという新しい組織が設置された。All-domain Anomaly Resolution Office。全領域異常現象解決局と訳されることが多い。UAPの調査を一元化する組織だとされている。AAROは2024年3月に報告書の第1巻を公開し、その中で「異星人の技術の隠蔽を示す証拠は見つからなかった」と結論づけた。

つまり、公式見解と内部告発者の主張は真っ向から対立している。

さらに、2023年末には上院でチャック・シューマー議員らが「UAP開示法(UAP Disclosure Act)」を国防権限法の修正条項として提出した。JFK暗殺文書の公開を定めた法律をモデルに、政府が保有するUAP関連の情報を審査・公開する委員会の設置を目指す内容だった。しかしこの修正条項は下院の反対で大幅に骨抜きにされたと報じられている。

なぜ潰されたのか。そこに利権があるのか、単に荒唐無稽だからか、国家安全保障上の合理的な理由があるのか。ネット上では様々な憶測が飛び交っている。

もうひとつ。NASAも2023年に独立した検討チームの報告書を出している。そこでは「UAPを科学的に調査するために、NASAはデータ収集の方法論を改善すべきだ」という提言がなされた。UFO問題を「恥ずかしいもの」から「科学的調査の対象」に格上げしようとする動き、とも読める。

📺 関連映像: グルーシュ 議会証言 UAP 公聴会 日本語 — YouTube で検索

回収計画の「影」──ロズウェルからTic Tacまでの77年

グルーシュの証言を「ぽっと出のトンデモ話」と片付けられない理由のひとつは、似た主張が過去に何度も繰り返されてきたという歴史だ。

1947年、ニューメキシコ州ロズウェル近郊で「何か」が墜落した。米陸軍は当初「空飛ぶ円盤を回収した」とプレスリリースを出し、翌日に「気象観測用の気球だった」と訂正した。この訂正を信じるか信じないかで、77年間ずっと世界は割れている。

1950〜60年代、米空軍はプロジェクト・ブルーブックとしてUFO目撃情報を公式に調査した。1969年に閉鎖されたが、12,618件の目撃報告のうち701件が「説明不能」として残った。

1980年代には「MJ-12文書」と呼ばれる文書群がリークされた。トルーマン大統領が極秘のUFO調査委員会を設置したとする内容だったが、真贋論争は今も決着していない。偽造を示す証拠も複数指摘されている一方で、全面的な決着には至っていない。

1989年、ボブ・ラザーという人物がネバダ州の「エリア51」近くの施設「S-4」で異星人の飛行体のリバースエンジニアリングに関わったと主張した。彼の経歴には検証不能な部分が多く、批判者も多い。しかし彼の主張の一部、たとえば「エリア51で秘密のテスト飛行が行われている」という点は、後に政府自身が認めている。

そして2004年のニミッツ事件。さらに2015年前後にも東海岸で米海軍パイロットがUAPに繰り返し遭遇したとされるエピソードがあり、それが2017年のNYT報道に繋がった。

こうして並べてみると、グルーシュは「回収計画」を語った最初の人間ではない。ただし、米国の正式な内部告発保護制度を使って議会で証言した最初の人間、という点では線が一本引かれる。

もうひとりの人間が同じ話をしたら偶然かもしれない。しかし70年以上にわたって、異なる立場の異なる人間が、似たような核心を指し示し続けているとしたら。その事実そのものが、何かを意味しているのかもしれないし、あるいは意味していないのかもしれない。

俺には判断がつかない。でも、無視もできない。そういう温度の話だと思っている。

abandoned military hangar desert dust Photo by Francesco Ungaro on Unsplash

🔮 世界怪奇録の予言 ── ここからは大胆予測です

ここから先は事実の整理ではなく、俺がこの件を追ってきた中での推測、というか予感みたいなものだ。事実パートと混同しないでほしい。

予測その一。UAPの「物的証拠」が公的な場で提示される日は、おそらく2030年より前に来る。理由は単純で、議会の中に開示を求める議員が複数いて、制度的な枠組み(AARO、UAP Disclosure Act の残骸)が既に存在しているから。全面開示にはならなくても、「こういうものを保管していた」程度の部分開示は、政治的な圧力の中でいずれ押し出されるんじゃないかと思っている。

予測その二。仮に何かが開示されたとしても、世界は思ったほど変わらない。人間はそういうものだと思う。最初の数週間は大騒ぎになるだろうけど、半年もすれば日常に埋もれる。1969年に人類が月に立ったとき、翌年のアポロ13号のテレビ中継を放送局が打ち切ったという逸話がある。人間の慣れの速度は驚異的だ。

予測その三。この問題の本当の核心は、UFOが実在するかどうかではなく、「民主主義国家が80年近く、議会にすら報告せずに何かを隠し続けることが可能なのか」という統治構造の問題に収束する。もしグルーシュの主張が本当なら、それは宇宙人の話ではなく、権力と秘密の話だ。もし嘘なら、なぜ情報機関の監察官が「信頼に足る」と認定したのか、そこにまた別の闇がある。

どちらに転んでも、すっきりとした着地にはならない。そういう種類の話だと俺は思っている。

foggy government building silhouette night Photo by Josh Sorenson on Unsplash

結局なんだったのか

正直に言う。俺にはわからない。

グルーシュの証言が全て真実なのか、部分的にしか正しくないのか、あるいは何らかの意図を持った情報操作なのか。AAROの「証拠なし」という結論が正しいのか、それとも調査範囲が意図的に狭められたのか。ネット上では様々な仮説が飛び交っていて、どれも決定的な証拠を欠いている。

ただ、ひとつだけ確かなことがある。2023年7月26日、米国の議会という公的な場で、元情報当局者が宣誓のうえ「非人類起源の物体の回収計画がある」と証言した。そしてそれに対して、議会の一部が立法措置を試みた。この事実そのものは、陰謀論でもオカルトでもない。実際に起きた政治的事件だ。

あの配信を観終わった後、俺は煙草を吸いにベランダに出た。夏の夜で、空は曇っていて、星は見えなかった。湿った風が吹いていた。

何も見えない空を見上げながら、妙に落ち着かない気持ちだったのを覚えている。

もし誰か、この件について俺の知らない情報を持ってる人がいたら教えてほしい。特にAAROの非公開ブリーフィングの内容について、何か漏れ伝わっているものがあるなら。

長文読んでくれてありがとう。

もっと深く知りたい人向け

この話に興味を持った人へ。以下の本が参考になると思う。

『UFOテクノロジー隠蔽工作』(スティーブン・M・グリア著、めるくまーる)。ディスクロージャー運動の中心人物による、政府の隠蔽を告発する立場からの一冊。グリアのスタンス自体に賛否はあるけど、証言者のリストとしては資料価値がある。

『UFOs 真の正体』(矢追純一著、河出書房新社)。日本におけるUFO報道の先駆者による著作。やや古いが、日本語でこの分野の流れを掴むには手に取りやすい。

『アメリカ大統領とUFO Vol.1』(ラリー・ホルコム著、成甲書房)。歴代大統領とUFO問題の関わりを丹念に追った本。政治とUFOの交差点を知るのに向いている。

『ペンタゴンの頭脳』(アニー・ジェイコブセン著、太田出版)。DARPAを中心とした米国防総省の秘密研究の歴史。UAP直接のテーマではないけど、「政府がどこまで秘密を保てるのか」という問いへの解像度が上がる。


本記事は世界各地の伝承・都市伝説・公開報道を編集したものです。個別の事象が超常現象であると主張するものではなく、文化史的な記録としてお読みください。心霊スポットへの無断侵入は法的トラブルの原因になります。立入禁止表示には必ず従ってください。

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