世界怪奇録
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2026-06-04その他

はやぶさ2が6年かけて会いに行く小惑星、実は旧ソ連の「死んだ探査機」かもしれないという話

2031年到着予定の小惑星1998 KY26。その正体が1988年に交信途絶したソ連の探査機フォボス1号である可能性が浮上した。

はやぶさ2が6年かけて会いに行く小惑星、実は旧ソ連の「死んだ探査機」かもしれないという話
Photo by カラパイア on Unsplash

Mが深夜のLINEで送ってきた一言から始まった

Mは大学時代の同期で、今はJAXA関連の仕事をしている。とだけ書いておく。身バレが怖いので詳しいことは伏せさせてほしい。

先月の深夜、もう2時を回った頃だったと思う。寝落ちしかけてたところにMからLINEが来た。

M「起きてる?ちょっとやばい話聞いた。はやぶさ2が向かってる先、小惑星じゃないかもしれない」

何を言ってるのかさっぱりだった。はやぶさ2って、あのリュウグウからサンプル持ち帰ったやつだろ。任務終わったんじゃないの。そう返したら、Mは「いや、今も飛んでるんだよ。次の目的地に向かってる。で、その目的地がヤバい」と続けた。

俺はオカルトもSFも好きだけど、宇宙には正直そこまで詳しくない。けど、Mの口調がいつもと違った。冗談で送ってくる時のノリじゃなかった。

長くなるかもしれません。文章もまとまりがないかもしれないけど、許してください。Mから聞いた話と、自分なりに調べたことをまとめて書きます。

deep space dark stars spacecraft distant Photo by Marcel L. on Unsplash

はやぶさ2はまだ旅を続けている

まず前提の話をさせてほしい。

はやぶさ2は2020年12月にリュウグウのサンプルを地球に届けた。カプセルをオーストラリアの砂漠に落として、世界中が湧いた。ここまでは覚えてる人も多いと思う。

でも、探査機本体はそのまま宇宙を飛び続けていた。カプセルだけ切り離して、本体は次のミッションに向かったんだそうだ。

行き先は「1998 KY26」という小惑星。直径わずか30メートルほどの、宇宙空間を漂う小さな岩。到着予定は2031年。つまり今この瞬間も、はやぶさ2は暗い宇宙の中をひたすら飛んでいる。地球から何億キロも離れた場所を、たった一機で。

ここまでは普通の宇宙探査の話。問題はこの「1998 KY26」の正体だ。

国際的な宇宙探査の研究チームが、ある可能性を指摘した。この小惑星、自然の天体じゃなくて、1988年に通信途絶したソ連の探査機「フォボス1号」の残骸かもしれない、と。

Mが深夜にわざわざ起こしてまで伝えてきた理由が、ここでようやくわかった。

6年もの歳月をかけて会いに行く相手が、岩じゃなくて、36年前に死んだ旧ソ連の機械だったとしたら。それはロマンなのか、それとも何か別のものなのか。

abandoned soviet space equipment rusted Photo by Sergei Shershen on Unsplash

フォボス1号という「消えた探査機」

フォボス1号について調べてみた。

1988年7月、ソ連はフォボス1号と2号の2機を打ち上げた。目的地は火星の衛星フォボス。火星そのものではなく、その周りを回る小さな月を調べるためのミッションだった。

ところがフォボス1号は打ち上げからわずか2ヶ月後、地球との交信を完全に失った。原因は地上からの誤ったコマンド送信だったとされている。姿勢制御システムが停止し、太陽電池パネルが太陽を向けなくなり、電力を失って沈黙した。

1988年9月2日。それがフォボス1号の最後の日だった。

ちなみにフォボス2号も翌年、火星の軌道に到達した直後に通信途絶している。こっちはこっちで、最後に送ってきた画像に「長い楕円形の影」が写っていたとかで、当時かなりオカルト界隈が騒いだらしい。そっちの話もいつか書きたいけど、今日は1号の話に絞る。

フォボス1号は交信途絶後、火星に向かう軌道上のどこかで宇宙を漂い続けていたはずだ。太陽の重力、惑星の重力、微小な力の影響を受けながら、38年間ずっと。

その「どこか」が、1998 KY26の軌道と一致するかもしれないという研究が出てきた。

俺は正直、最初は「いやいや、小惑星と探査機の残骸じゃ大きさ全然違うだろ」と思った。だけどMに聞いたら、1998 KY26は地上から望遠鏡で直接形を見たわけじゃなく、レーダー観測で推定されたサイズだという。しかもその推定にはかなりの幅がある。

30メートルの岩なのか、数メートルの金属塊がレーダーに強く反射しているのか。区別がつかない可能性があるらしい。

背筋がぞわっとした。

📺 関連映像: はやぶさ2 小惑星 1998KY26 フォボス 探査機 — YouTube で検索

Mが語った「もし本当だったら」の話

ここからはMとの会話を、覚えている範囲でそのまま書く。乱文かもしれません。

M「仮にだよ。仮に1998 KY26がフォボス1号だったとする。はやぶさ2が2031年に至近距離まで行って、カメラで撮影する。そこに写ってるのが岩じゃなくてソ連の探査機だった場合、どうなると思う?」

俺「いや、すごい発見じゃないの?38年ぶりに見つかりましたって」

M「まあそうなんだけど。問題はさ、はやぶさ2のミッション設計が『小惑星の観測』を前提に組まれてるってこと。サンプル採取はもうできないけど、至近距離で撮影して表面を調べる計画になってる。でも相手が人工物だったら、観測する意味も解釈も全部変わってくるわけ」

俺「6年かけて行った先が、目的と違うものだったってこと?」

M「そう。しかもフォボス1号って、打ち上げ重量6トン以上ある。でかいんだよ。太陽電池パネルを広げた状態だと全幅は結構ある。交信途絶後にパネルが閉じたとしても、本体だけで数メートルはある」

M「で、1998 KY26の自転周期がめちゃくちゃ速いんだ。約10.7分で1回転。これ、自然の小惑星としてはかなり異常な速さなんだよ。普通の岩がこの速さで回ったら、遠心力でバラバラになるサイズ。金属製の頑丈な構造物だったら説明がつくんじゃないかって話」

この自転周期の話を聞いた時、鳥肌が立った。

宇宙空間に浮かぶ、猛烈なスピードで回転する旧ソ連の残骸。38年間、誰の目にも触れず、太陽の光を浴びては影に沈み、回り続けている。それを日本の探査機が、6年かけて追いかけている。

ホントにSFみたいな話だけど、これは査読のある論文として出てきた話だ。

spinning metallic object dark space stars Photo by Julian Hochgesang on Unsplash

軌道が一致するのか、しないのか

俺なりにもう少し調べてみた。

フォボス1号が通信を絶ったのは、地球から火星へ向かう途中の軌道上だった。火星にはまだ到着していない。つまり、太陽の周りを回る軌道のどこかで止まった。

一方、1998 KY26は地球近傍小惑星に分類されていて、太陽の周りを約1.37年の周期で回っている。軌道は地球と火星の間あたりを通る。

フォボス1号が38年前に取り残された軌道と、1998 KY26の現在の軌道が、力学的に矛盾しないかどうか。研究チームはこの点をシミュレーションで検証したようだ。

結果としては「完全に一致する」とは言い切れないものの、「排除できない」レベルだったらしい。宇宙空間では太陽輻射圧やヤルコフスキー効果といった微小な力が長期間にわたって軌道を変えていくので、38年もあれば相当なズレが生じうる。逆に言えば、そのズレを考慮に入れると、フォボス1号の軌道が1998 KY26と重なるシナリオも描けてしまう。

確定したわけじゃない。あくまで「可能性がある」という段階。でも、この「可能性がある」という一言の重さが、俺にはずっと引っかかっている。

Mは言った。「2031年になればわかる。はやぶさ2が撮った写真に、ソ連のマークが写ってたら世界がひっくり返る」

冗談ぽく笑ってたけど、目は笑ってなかった。

misty observatory telescope night sky Photo by Solomon Yu on Unsplash

もし岩だったとしても、もし鉄だったとしても

ここからは俺の感想というか、考えたことを書く。

はやぶさ2は今も飛んでいる。2026年の今この瞬間も、暗い宇宙を一人で進んでいる。燃料を節約しながら、少しずつ軌道を調整しながら。あと5年。

もし到着した先にあるのが本当にただの小惑星だったら、それはそれで貴重なデータが取れる。直径30メートル級の小惑星を至近距離で観測した例はほとんどないから。

でも、もしそこにあるのが1988年に死んだソ連の探査機だったら。

38年間、宇宙で回転し続けた人工物。設計した技術者はもう引退しているか、亡くなっているかもしれない。打ち上げた国そのものがもう存在しない。ソ連は1991年に崩壊した。

誰のものでもなくなった機械が、太陽の光を反射しながらくるくると回っている。それを日本の探査機が見つけに行く。なんだろう、怖いとかオカルトとかとは違うんだけど、胸の奥がざわつく。

Mに「お前はどう思う?」と聞いたら、しばらく黙ってから「宇宙版の漂流物だよな」と言った。「海で見つかる、誰のものかわからないメッセージボトルと同じ。ただスケールが太陽系になっただけで」

その比喩が妙にしっくりきて、なおさら落ち着かなくなった。

冷戦時代に打ち上げられた探査機。命令の誤送信一つで沈黙し、それからずっと太陽の周りを回り続けている。誰にも看取られず、誰にも知られず。それを「小惑星」として再発見し、6年かけて会いに行く別の国の探査機。

これが作り話だったら「よくできたSF」で終わる。でもこれは現実の話で、査読された論文に基づいている。だから余計に気味が悪い。気味が悪いという表現が適切かはわからないけど、他に言葉が見つからない。

何が分かっていて、何が分かっていないか

わかっていること。

はやぶさ2は小惑星1998 KY26に向かっている。到着予定は2031年7月。この天体は直径約30メートルと推定され、異常に速い自転をしている。約10.7分で1回転。

国際的な研究チームが、この天体が1988年に通信途絶したソ連のフォボス1号探査機である可能性を指摘した。軌道のシミュレーションでは、この仮説は「排除できない」結果となった。

わかっていないこと。

1998 KY26の正体。天然の小惑石なのか、人工物なのか。レーダー観測だけでは判別がつかない。最終的な答えは、2031年にはやぶさ2が至近距離から撮影した画像を待つしかない。

フォボス1号の現在位置。通信途絶から38年、追跡手段はない。どこを飛んでいるのか、正確には誰にもわからない。

あと5年。答えが出るまであと5年ある。

Mは最後にこう言った。「もし写真にソ連のマークが写ってたらさ、それは怖い話なのか、美しい話なのか。俺にはまだわかんない」

俺もわからない。ただ、2031年が来るのが少し怖い。怖いけど、待ち遠しくもある。

長文読んでくれてありがとうございました。何かこの件について詳しい人がいたら教えてほしいです。

出典: カラパイア

empty dark corridor abandoned station light end Photo by Erik Mclean on Unsplash

もっと深く知りたい人向けの本

この話にぐっと来た人は、以下の本が参考になると思う。

『はやぶさ2の真実 どうなる日本の宇宙探査』(松浦晋也 / 講談社)。はやぶさ2のミッションの全容を追ったノンフィクション。拡張ミッションについても触れられていて、1998 KY26への旅の背景がわかる。

『宇宙探査の歴史』(的川泰宣 / 朝日新聞出版)。ソ連のフォボス計画を含む、世界の宇宙探査の通史。冷戦下の宇宙開発がどれだけ壮絶だったかが伝わってくる一冊。

『ソ連宇宙開発史 気象衛星からブランまで』(冨田信之 / 東京大学出版会)。フォボス1号・2号の打ち上げと交信途絶の経緯が詳しく記録されている。旧ソ連の宇宙計画の全体像を知りたいなら、これが一番まとまっている。


本記事は世界各地の伝承・都市伝説・公開報道を編集したものです。個別の事象が超常現象であると主張するものではなく、文化史的な記録としてお読みください。心霊スポットへの無断侵入は法的トラブルの原因になります。立入禁止表示には必ず従ってください。

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