測量で足を踏み入れた「石を積む谷」──左手の冷たさが消えない話
たたら製鉄で栄えた山奥の谷。禁忌の石塚に触れた測量技師が体験した、今も残る左手の冷たさと黒い口の記憶。
たたら製鉄で栄えた山奥の谷。禁忌の石塚に触れた測量技師が体験した、今も残る左手の冷たさと黒い口の記憶。
誰も書いていないはずの原稿が一枚ずつ増えていく。しかもその筆跡は自分のもので、内容はまだ来ていない翌日の出来事だった。
アフリカのコビトマングースは戦いの前に偵察・兵站・士気高揚まで行っていた。その驚くべき戦術行動の記録。
サンショウウオのように手足を再生する力が、哺乳類にも眠っているかもしれない。米大学の研究が示した衝撃の可能性とは。
ダイソン球の残骸が月面の砂に混じっている可能性を示した研究。宇宙の果てではなく、すぐ隣の月に答えがあるかもしれない。
ブラジルで発見された翼竜の化石から有機分子を抽出。1億1300万年前の食性が化学分析で判明した驚きの研究。
大気圏突入まで秒読みのNASA衛星スウィフト。救出に向かったのは半世紀前のロッキード機だった。
文化財調査で訪れた網元の旧家。裏庭に建つ離れには窓があるのに入口がない。封じられた鏡台と「隠し名」の仕来りとは。
市史編纂のため山あいの町に赴任した男が、禁忌の木札を写真に撮ってしまった夜から始まる、窓を引っ掻く女の怪異。
平成六年の夏、母の故郷の漁村で見つけた「凪番」という役職。凪いだ晩に海から来るものに振り向けば二度と戻れない。
国有林の境界調査中に杣人から告げられた禁忌。額に縦目を持つ「片目様」に魅入られた者は二度と戻らないという。
故人の蒐集部屋で剥製を数えるたび、台帳より常に一体多い。その余分な標本には種名ではなく人の名と日付だけが記されていた。
地球の海の80%以上は未踏査。ブラジル沖の深海でわずか2週間のうちに新種31種が発見された調査の全貌を、投稿者視点で語る。
イズミルのバレエ公演中、クライマックスの死の場面に野良猫が乱入。観客も演者も崩壊した一部始終。
昭和の山奥で測量技師が聞いた鏡淵の禁忌。のぞけば名を取られるという言い伝えを破った三人の、静かすぎる顛末。
アンデス先住民の唾液酵素が世界最多と判明。1万年のジャガイモ食が人体を変えた驚きの研究結果を語る。
イタリア北東部の畑で不発弾処理中に発見された2500年前の神殿遺跡。ウェネティ語の石板が語る、ローマ以前の祈りの記録。
山あいの谷で田を継ぐ投稿者が、水の止まった真夏の朝に祖父の隧道を抜けた先で見た、もう存在しないはずの村と老人の話。
峠道で紫の霧に包まれた薬売りが迷い込んだ、地図に載らない盆地の村。止まった時計、季節外れの稲穂、提灯を持つ少女の眼差し。
アフリカで発見された月の破片が語る、35億年前の巨大衝突。地球にも同時期に小惑星が降り注いでいた。
昭和の古い映画館。閉館後の客席から夜ごと響く大勢の笑い声。扉を開けた先にいたのは、白いスクリーンを見つめる満員の「客」だった。
魚の腸内細菌が炭酸カルシウムを作り、海のCO2を固定している可能性。マイアミ大学の研究が示す驚きの仕組みとは。
昭和の終バスを走らせた若い運転手が峠で拾った乗客。湖底に沈んだ村へ帰りたいと言う女を乗せた夜、同じ標識に何度も戻る道が続いた。
閉業間際の活版印刷所を取材したライターが体験した、夜ごと組まれていく活字と一つ余分な湯呑みの話。
昭和の港町、寮の湯小屋で禁忌を犯した男に憑いた"それ"。偽の拝み屋、老師の警告、そして語り手が隠していたもうひとつの嘘。
谷あいの温泉宿で四十二年。雨の夜だけ濡れる鍵、渡り廊下を渡る塗り下駄の音、閉ざした離れに灯る行灯。仲居が語る最後の秋の記憶。
濡れていない毛、聞こえない足音、砂に残らない足跡。霧の磯で道を失った私を救った白い犬の正体とは。
山あいの廃校を訪ねた老人が見た、止まらない柱時計と写真にだけ増えた机。あの子らはどこへ帰るのか。
山あいの役場窓口で雨の日だけ起きる怪現象。無人集落への転入届に記された最後の名前を見て、投稿者は息ができなくなった。
アイスマン・エッツィの体内から生存していた酵母が採取され、実際にパンが焼けた。5,300年の時を超えた発酵の記録。
配置薬の行商人が泊まった谷あいの旧庄屋。灯のともらない中二階へ夜ごと運ばれる一人分の膳。その先にいた「何か」の記録。
フィンランドの研究チームが突き止めた、マルハナバチの驚くべき問題解決能力。小さな脳が秘めた知性の正体とは。
サハラ砂漠で拾われた隕石の正体は、太陽系の夜明けに砕け散った月サイズの原始惑星の破片だった。
濃霧の早朝、いつもの防波堤に釣りに出た投稿者が体験した、灯台も音も時間も狂った港の怪異。
亡き叔母の海辺の家に泊まった夜ごと、干潟に立つ人影が一体ずつ増えていく。最後の夜、もっとも近い影がこちらを向いていた。
旧校舎の標本室に残された台帳にも載らない瓶。その底に沈む白い影は、夜ごとに硝子の内側へ近づいてきた。
長距離トラックの助手席に誰もいないのにベルトを締める習慣。還暦を過ぎたある夜、留め金が温かかった。
昭和のダム計画で水没予定の村を調査中、溜池の底にある石蓋を開けてしまった男が体験した、取り返しのつかない夜の記録。
南アジアの地層から未知の肉食哺乳類3種の化石が出土。1400万年前、日本海が生まれた頃の世界に何がいたのか。
火星周回探査機MAVENが11年の任務を終え沈黙。最後の通信途絶の瞬間と、その生涯を振り返る。
亡き学者の蔵書から見つかった書名なき古書。夜ごと読むうち余白の傍注が増え、やがてその筆跡は自分自身のものに変わっていった。
虫送りの実盛さまを川へ送る夜道、背後にもうひと組の足音が鳴った。振り返れぬまま辿り着いた先で、藁人形の顔に描かれていたもの。
2031年到着予定の小惑星1998 KY26。その正体が1988年に交信途絶したソ連の探査機フォボス1号である可能性が浮上した。
数百km先から迷わず帰るハトの秘密は肝臓の免疫細胞にあった。ドイツの研究が示す生体磁気センサーの正体とは
2026年5月、米国防総省が2度目の機密解除を実施。戦闘機がUAPを撃墜する映像が一般公開され、世界中が騒然となった。
白髪の老人が置いていった一冊の和綴じ本。三十年後、表紙裏に記されていたのは「その日の日付」と店主の名前だった。
運転代行を三十年続けた男が、ある冬の夜に乗せた最後の客。古い車、古い紙幣、そして消えた家の話。
北国の表具師が亡き師匠の蔵で見つけた黒漆の函。その結び目は、決して数えてはならなかった。
ダムに沈んだ村の跡地で深夜清掃をする七十代の女性が、封じられた井戸の底に見たものとは。時空のねじれが残す静かな余韻。
深夜の文字起こし作業中、録音に存在しない三人目の声を聞いたライターの体験談。声はやがて録音の外へ滲み出す。